バラバラ死体とシャルウィーダンス















「で、ノコノコ帰って、一人じゃ寂しいからオレを呼んだわけ」


「うるさいなぁ」



一人で夕食ってのも何だか寂しくて、私は友人の井村康太郎を呼び出した。
井村は私と同じ部署に所属している人間で、今は別の事件を担当している。

フジハラさんちの結婚記念日、という情報は、正味な話独身の精神では耐えられないわけで。

なんか、他人の幸せを妬む自分が嫌になる。



「で、飯はまだ?」


「もうちょっと」


「呼び出すなら作ってろよ」


「食べたいなら手伝えよ」



井村とは最近、友人とそれ以上の間を行ったり来たりしている気がする。

多分、向こうも何か期待しているらしく、たまに鋭い視線を投げ掛けてくる。

私は別に井村なら構わないと思ったから、今日呼んだのだ。


今日は安全日だし、避妊具も用意してある。


自分の、用意周到で計画的な性格に一人ごちて笑っていると、



「なに笑ってるの」


「んっ」



いつの間にか背後に来ていた井村に、後ろから抱き締められた。


そのまま彼の唇が首筋へと降り、右手は私の乳房を揉みしだいた。



思わず出たあえぎ声を塞ぐ様に、井村は唇を重ねてきた。


私は後ろ手でコンロのスイッチを切り、両手を井村の首に回した。












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