花が咲く頃にいた君と

奪われる another story

久しぶりに夢を見た。



ごろごろする瞳。

横たわって見た風景、雨が窓を叩いていた。



なぜ、あんな夢をみたんだろう。


一人きりのベッドの上

もう一度目を瞑り、体を丸めて膝を抱えた。



もう、体が諦め様としてる。

なのに不安定な心が、時間を巻き戻したがっている。




「ちょっ、!…お待ち………若旦那様…………!」



廊下が自棄に騒がしい。

しかし、確かめるのも億劫だ。



俺は真っ白なシーツを手繰り寄せ、そこに顔を埋めた。



もう、どうだっていい。



小夜はきっと努が助けるだろうし。


結女だって…



「おい、“如月”居ねぇのか!!!!」


突然部屋の扉が蹴破られ

雨音だけしとしとと聞こえる部屋に

けたたましい音が響いた。



身体が跳ね上がり、身を起こす。



そこには鬼の形相で、仁王立ちする冬城十夜がいた。



「どうなってんだ、テメェ!!!」



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