花が咲く頃にいた君と
ぱっちりとした二重の瞳は、どこまでも澄んでいた。

申し訳なさそうに目尻りが垂れると、表情はより優しくなった。



「あた、し…」

「僕が君の傍にいるから、

僕が君を守るよ」



涙の筋残る頬を、東向日の親指が優しく撫でる。

身体中これでもかってくらい、体温は上昇してるのに、東向日が撫でる頬からより高い熱が広がっていく。


「泣き止んでくれた」


東向日は嬉しそうに瞳を細め、目尻を垂らした。

とてつもない甘い表情に、あたしはもう心臓が壊れそうだった。


ギュッと目を瞑って、ふかふかの布団を引き寄せ、そこに顔を埋めた。



「もう、やだ…東向日、離れて」

「何がやなの?どうしたの?お腹痛いの?」


そうだった、奴は天然だった!?

心配気に東向日の気配が近くなった。


必死に隠す顔を、覗こうとしてるのが気配でわかる。



「違う。東向日、…恥ずかしい」

「何が恥ずかしいの?」


はっきり言ってるのに、いまいち意味を理解してもらえない。

天然がこれほど厄介だとは、知らなかった。



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