≡イコール 〜霊能力者へ 『霊視1』より~
「君も 今日はもう帰った方が良い・・・

彼の意識が 戻っても 話しの出来る

状態じゃない かえって 疲れさせて

しまうかも しれない・・・」


「わかりました」


とだけ オレは 返事をしたが

島田さんの その言葉に 従う気は

なかった 

せめて 坂本の意識が戻った時

友人が 側に居た方が

心強いに違いない・・・


しかし やはり 島田さんは正しかった

後にこれは 

オレの ただの 『自己満』に

過ぎなかったのだということを

思い知らされる


病室の前に戻ると リンコ親子が

病室の前で ウロウロしている

様子だった

リンコが戻ってきた オレを見つけた


「あ・・・奥村君」

「どうしたの?」

「私たちも 今日は とりあえず

帰ろうかと思って・・・」

リンコは オレからさっき渡された

スニーカーを どうしたらよいか

迷っていたらしい

「あぁ・・・」

オレは 正直 『カノジョのくせに冷たい』

と思いながら 

「オレが 坂本のお母さんに渡すよ」

と スニーカーを リンコから受け取った


「じゃあ・・・ 明日ね 学校で・・・・

坂本くんのお母さん 失礼します

明日の夕方 また 来ます」


リンコは 病室の外から そう言って

軽く会釈した

坂本の母親も リンコの方を見ないまま

軽く 頭を下げた
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