ラスト・メッセージ
今日、稟が退院する。


俺は、グルメの食べ歩き番組の収録で、一日横浜だ…。


こんな時、普通の会社員が羨ましいと思う。


それが終わったら、その足で、稟の両親に結婚の承諾をもらいに行く。


早く、終われよなぁ……。


心の中で呟くばかりだった。


そして、夜9時…。

「はい、お疲れぇ~!!」


プロデューサーからのOKの声がかかった。


「お疲れぇ~。
せっかく横浜に来たんだから、飲み行かねぇか?」


「「良いっすねぇ~行きましょ~!」」

「水口も行くだろ?」


カメラさんから声をかけられたが、稟の待つ家に行く事で、頭いっぱいな俺。


「すんません。
どうしても、行かなければいけない場所有って……。
お先です!お疲れ様でした!」


スタッフ達とは、逆方向に走り出した。

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