ラスト・メッセージ
通されたのは、誰もいない処置室だった。


「水口 稟さん……。奥様の症状についてですが……。」


そう言って、口を閉じてひと呼吸置いた。


「大変…申し上げ難いのですが、思った以上に症状が悪化しており……。
もって、あと二ヶ月有るか無いか…。」

その瞬間、俺の頭の中が真っ白になった……。


「若い方程、癌の進行が早いです……。今、奥様は体のあちこちに癌細胞が散っており、末期の状態です…。」


「そう……ですか……。」


その言葉しか、出なかった……。



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