監察天使☆ネノ

城★sideネノ

「魔王様の息子さん??」


私は顔をあげ、目の前の美少年に聞く。


「ぁ、ああ。」


む〜。

この人、絶対…


「誰だよ、この女。」

「へ??」

「今、そう思っていたでしょー??」


だって私の事ジロジロ見てくるしぃー。


「失礼、あまりにも…その、可愛いかったもので。」


返ってきた言葉は予想しとたのとは全然違う言葉で。
…へ?



─…可愛い??…─



彼は口元を押さえて、私から目を反らし、ほんのり顔を赤く染めた。



これは社交辞令だ。

うん、絶対そう。

魔界の王子だから初対面の人には、お世辞を言うようにしつけられてるんだよね。


「私は、監察天使ネノ。
これから、よろしくね──…えっと…?」


名前につまった私を見て、「あっ」と自分が名乗っていない事に気がつく彼。


「俺はっ…!…僕はレーチです。」

「そんな、かしこまらなくても…。」


レーチくんはニコリと笑った。

笑うと改めて、美少年だな〜と思う。


すると彼は私の手を取ったかと思うと手の甲に軽くキスをした。


「天使は嫌いだったが…それも、今日までだな。」


ニコ。

私を見て微笑む魔界の王子様。



「ネノを口説くんじゃないでしょ!!
相手を間違ってる!」



私は叫んだ。
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