監察天使☆ネノ

堕天使の誘惑★sideレーチ

あんな幸せなキスは初めてだった。

それまでの自分のいい加減さが馬鹿馬鹿しく思える。


家に帰ってしばらくすると、着替えたネノがドアの外から俺を呼んだ。


「ネノ、買い物行ってくるねー!」


足音がだんだん遠くなって、聞こえなくなった。


…そっか。

明日からネノが弁当作るんだっけ?

楽しみだな…。


星影の言葉を思い出す。

『ネノは落ちこぼれ天使だから術が上手く使えないの。』


『ふーん…?』

ってあの時は返した。

俺がそんなんで、揺れるとでも思ったのかよ。

でも。たしかに揺れたな。

星影側に…じゃなくて、ネノの方に。


だって、術が使えない=手作り弁当を味わえるって事じゃねーか!?








バカな事を考えながら、宿題にとりかかる。

……。

楽勝すぎるから直ぐに終わってしまい、暇になった俺は置いてあった雑誌に手を伸ばす。

ふーん?こんなのが流行ってるんだ??

…こんど、買いにいくか。



金は必要な分だけ財布から出てくる。

だから、心配ない。
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