待っていたの

かなり目立つ二人は、日の暮れた街に降りる。
護衛も特に引き止めはしなかった…できなかったのだ。


「今日は夜会なんだ」

「夜会…ですか?」

「パーティだよ」


そういい会場へ入ると、人が割れ道ができる。


その人が開けた道の先には……陛下がいた。


「陛下……」

逃げ出したい衝動にかられる、怒っているのがわかるから。


「我が妃も一緒だったか、彩…なんという下品な格好だ」

指を鳴らすと、濃い藍色のどこも出ていない普通のドレスに変わる。


「相変わらず失礼だね、彩の綺麗さは君にはわからないのか」

「我が妃をお褒め頂いて、礼を言うぞ…黒麗」

「白夜…相変わらず、この品のない夜会を止めないとは…新婚なのにね」

「黒麗…我が国の事に口をだすのか、貴様ごときが?干渉もたいがいにしろ」

彩は納得してしまった、この冷戦を見て…ふたりの仲が悪いと。


だいたい、白夜と黒麗が仲いい方が納得いかないような気がする。



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