ブルービースト

ユノの限界まで冷めきった紫の瞳を見て、レイツはちょっと苦笑いする。



「そんな目で見ないでよ、本当のこと言っただけだろ~」


「答えになってないです」


「いや本当にそれが答えだからさ」



参ったなぁ、と頬をポリポリ掻くレイツ。


そんな彼を横目で見ながら、ユノはもう一つブロードの謎をあげた。



「あとあの人、いつも土曜日の夕方に消えますよね。それは何してるんですか?」



実はこれが一番謎なのだ。



ブロードは毎週土曜日、夕方になるとどこかへ消える。


そして夜遅くに戻って来て、夕食も食べずに疲れはてた様子ですぐに部屋に戻ってしまい、翌朝にならないと出てこないのだ。



レイツはそのユノの質問にちょっと顔をしかめてみせた。



「…本人に訊いたらいいんじゃない?」


その彼の言葉にユノは首を横に振る。



「訊いたけど教えてくれませんでした」


「…ま、そりゃそうだよ。俺らも未だに知らないからさ」


「えっ?知らないんですか??」


「あいつどんだけ訊いても言わないよ」



まぁ次の日には元気になって出てくるしいいんじゃない、とレイツは笑った。



これはもう完璧に知るのを諦めている。





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