ブルービースト
「あたしだけじゃないから…しょうがないって、思ってたけど…っ

やっぱり好きなんだもん…!」



グスグスと泣き続けるあのストーカー女。


彼女の愛情がねじまがっていると思っていたユノは、少し反省して頭を撫でてやった。



ストーカーと疑われる異常な行動は、ブロードが相手にしてくれないからこそ。





(ちょっとくらい、何か言ってあげればいいのに…)



リシアを好きにしろそうでないにしろ、確かに彼はもう少し反応してもいい気がする。




しかし、そうも言い切れずユノは珍しく眉を下げ困った顔をした。




ブロードがリシアをどう思っているのかは知らないが、







…………正直、自分の気持ちが複雑。








(…………ん?)




「あれ…?」



何で自分が複雑な気持ちにならなければならないんだ。



ユノはさっき思ったことに矛盾を感じた。




(…あぁ、第一に来てから情に流されやすくなっちゃったのかも…)



結局そう片付けたが、なにかモヤモヤする。



リシアはそんなユノに気付くことなく、まだ鼻をすすって泣いている。





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