ブルービースト

「…………………。」



パタン、と扉を閉めてから、ユノはその場に座り込んだ。


真っ赤になった頬に手を宛てる。




(嘘、嘘これってちょっと待って待って待って)



いくら今までそういう類いのことがなくとも、さすがにもう自分でもわかる。




(嫌だ、嫌だ私は認めない認めない)



あんなサボり魔を、へらへら馬鹿を、




「す、すすすすすすす……、だなんて」




ユノ、混乱中。






(と、とりあえず落ち着け私。そう、いつもの冷静さを取り戻せ私)


ふう、と息を吐いてから立ち上がる。


そしてベッドにダイブしようとして、



「痛っ」



…机の角に足をぶつけた。

どうやら落ち着けてはいないらしい。




「ぶ、ブロードさんのせいだ。ぶっ殺してやる」



林檎のような頬をしているので迫力はないが、ユノはそうぼやくと今度こそダイビング。


ふかふかの布団に身を沈め、乙女モード全開。




(そりゃあ確かに綺麗な顔してるけどあれよ、そう、サボり魔だし、)


いつもへらへらしてるし、でもたまに見せる優しい笑顔はすごく安心するしかっこい…




「くない!かっこよくない!」



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