ブルービースト

-Ⅳ-


それから、一週間後。



行く村行く町で潜んでいた敵軍と戦闘を何度か繰り返し、特殊部隊はようやく目的地へと辿り着いた。


そこは、ブリュエナ軍に昔乗っ取られた北の国境に接する町。


“アスウェイ”という名のその町は、炭田でもあり武器を作る鉱石もよくとれていた。

…それ故に、狙われたのだが。




「いいか、ブロード。大人しくしてろよ!」



町の手前、敵にバレないよう戦闘準備を部隊の軍人がする中、既に用意を終えたアサギはブロードに釘を刺しておいた。


今は使用されていない炭田の中でお留守をくらうはめになったブロードは、この一週間上司に言われた通り一度も戦闘をしていない。


さすがに不満に思ったのか、彼は上司を見上げ頬を膨らませた。



「そろそろ体がなまっちゃうんですけど!」


「馬鹿言うな、前だって三ヶ月も戦闘に出てなかったろ」


「あれはアサギさんが第一に戦闘要請してくれないから…」



拗ねるように言うブロード。


アサギは仕方ないなとばかりに溜め息をついた。


それに顔を上げた蒼は、わかりやすく表情を輝かせる。



が、



「はっはっは!駄目だ!」



そう高らかに笑うアサギに、一気にドン底へ叩き落とされたのだった。





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