ブルービースト

「…………しばきますよ」


「ほら、それそれ」



ユノがまた怒ってもへらへらニコニコ笑うブロード。


そんな彼にユノは思わず脱力してしまった。



「………もう。ブロードさんって確信犯ですか?」


「え?確信犯?俺犯罪なんかしてないよ」


「……………………。」




──…本当に、この人はわからない。




鋭いかと思えばこれだ。



ユノは頭を抱えたい気分に陥った。





「………まぁ、いいや。な、ユノもお花見行こう!」


「え、ちょ、ちょっと!」



そんな気分のユノを差し置いて、ハイテンションで騒ぐブロード。



彼は片手にポチを抱え、空いた手でユノの手を掴むとフロアリビングから颯爽と出ていった。











「………あらまぁ、ブロード君が女の子連れ出すなんて珍しいこと」



隣の食堂から覗いていた食堂のおばちゃんことランさんがそう囁いた言葉は、誰にも聞かれることなく空気に混ざっていったとか。





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