奪ったのは君か僕か

交錯する想い

「…紅葉…」


そこにいたのは間違いなく私の愛した
栄蔵さんだった。

傍らに、可愛らしい女性を連れて…


「栄蔵さん?お知り合い?」


「…あ、あの、私…失礼します!!」


「紅葉!!」


走って、走って、走って

私は逃げた。



「…って!待って!モミジ!」

「放して!」

「違う!俺だよ!ルキーニ!」

力強く私を抱きしめるのは
大きな羽は消え、人間の姿になった
ルキーニだった。


「…戻ろう。」

「え、嫌…嫌よ…。」

「かんざし買ってねぇだろ!」
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