緑の魔法使い
その後、後片付けをしてすぐ向かう事となった。
橘君は物置から原付バイクを取り出し、私達はその後を追いかける形になった。

田舎道を20分ほど走ると橘君曰くご近所が見え出し、原付スピードにあわせて30分ほどの所にその動物病院があった。

―――加藤動物病院

今時何の捻りもない看板を見上げれば、敷地をグルリと二重に囲む柵の向うから盛大な犬の歓迎を受けた。
それ以上に

「犬臭い・・・」

鼻が曲がりそうな臭いに眉間を狭めるも、橘君は案内するようにログハウス調の病院のドアを開けた。
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