【続】俺様王子と秘密の時間


あたしは羽鳥に昨日の出来事を、千秋と保健室に居たら突然、美結ちゃんが来てバケツの水を……って話したのに。



流されてるって。

でも、その通りかも……。

しゅんっ。




「ったくシイは。保健室に呼ばれてノコノコ会いに行って、バカ王子と蜜月中ってか?」

「なっ……」


ケラケラ笑う羽鳥。


なによぉおおお――!

いや、確かにノコノコ会いに行きましたよ!

行ったけども!

蜜月中って……。

意味、違うんじゃないの?



「そんなんじゃ……」


話していただけって言ったら嘘になるし、だけど昨日のことを赤裸々に話せるわけがないし……。



「ふーん」


羽鳥はあたしの机にズイッと身を乗り出して、ちょっと生意気な子供みたいな目つきで見てくる。


ほんと、イタズラっ子みたい。



「シイって動揺すると目が泳ぐんだよなぁ」

 

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