【続】俺様王子と秘密の時間


「何も要らねぇから、今日は帰んな」


千秋……。

自分が情けなくて涙が出そうになったあたしの頭を撫でてくれた。


物凄く大胆なことを口走ってる千秋だけど、何もしないなんてあたしの気がすまないんだよぉ……。


やっぱり何かしてあげたいの。

どうしたら喜んでくれるの……?



「わっ……」


そんなあたしの肩に手を回して、千秋がいきなり耳元に唇を寄せてきたから変な声が出てしまった。


ドキドキ……。


ないしょ話みたいにして千秋が囁いた言葉に、全身が熱くなった。



“今夜は、お前の全部を貰う”

“だから、何も要らねぇ”


それって……。

つまりは……。



「そうよー!泊まっていけばいいのよ。二人で熱〜い夜を過ごしなさい。ねっ♪シイちゃん?」

「は、は、ハイ……」


川村椎菜、高校3年生。

初めてのお泊まりにドキドキが止まらない……。

 

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