【続】俺様王子と秘密の時間
「で、お前、何してたんだ?」
「それは、その……」
う……。
言えないよぉ。
涼くんに猛抗議していたなんて。
出来るだけ、あたしのマヌケ面が載った最低なあの記事には触れたくない。
「なあ、言ってみろよ?」
千秋がすぐに目の前に来ていることを、わずかに漏れる太陽の光が教えてくれた。
「きゃ……」
そしてあたしの顔に自分の顔を近づけてくる。
コツンとおでこが触れる。
――ドキッ。
心臓が加速していくあたしなんてお構い無しに、千秋の長い睫毛が視界に入りこんできた。
あたしは反射的に目を瞑る。
「期待させてわりぃけど」
「え……?」
キスされるんだと思っていたあたしは、千秋の声に目を開いた。
「男の匂いがすんだけど?」
「う……」