【続】俺様王子と秘密の時間
まさか誰か入ってくるなんて思わなかったあたしは、驚きのあまり心臓が飛び出そうになった。
慌ててバスタオルで身体を隠す。
「ぷっ。慌てすぎだから」
「だ、だ、だって!」
そんなあたしに千秋は持っていたバスローブをかけてくれた。
「あ…ありがと……」
全身が物凄く熱くてタコみたいに真っ赤になったのは、きっとお風呂に浸かりすぎたせいじゃない。
「なに緊張してんの?」
チラリと千秋に目をやると含み笑いをしていた。
あたしを見て面白がってるんだ!
「別に緊張なんて……。てゆーかいつの間にお風呂に入ったの?」
千秋もあたしに貸してくれたのと同じ白いバスローブを着ていた。
それに髪の毛だって濡れてる。
「いいから、早くおいで?」
ドキンッ……。
その言葉がさらに緊張させる。
ケーキに乗った苺のように甘い予感がした。