【続】俺様王子と秘密の時間


この黒澤拓海は全てが謎だから、あまり深く関わりたくないけど。

でも気になることが多々あるし、一つ一つ慎重に聞いていこう。



「成瀬川千秋は王子様だって、クラスの女が言ってたんだよ」


あぁ、なるほどね……。


この学校の女の子達はみんなといっていい程、千秋のことを知っているから。

それにあの冷たい王子様に目を奪われない女の子なんていない。



「それに王子が店に来た時言ってたろ?“自分の女連れ出してなにが悪い”って」


そうだった。

だから彼氏って知ってたのかぁ。

って、感心してる場合じゃない。


早くこの邪魔者に退散してもらわないと千秋が屋上に来ちゃうよ。



「なぁー、シイ?王子とココで密会すんだろ?」

「へっ?」


胡座をかいてタバコであたしを指さして、黒澤拓海は唇を広げた。



「とぼけても無駄だぜ?」

「な……」

「さっきシイのメール見たから」

 

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