【続】俺様王子と秘密の時間


今日最後の授業はサマースクールの班決め。

行くのは6月という微妙な時期で、決して夏じゃないけどサマースクールというのだ。



「新幹線で2時間はダルいよぉ」

「じゃ、コウは留守番だね〜?」

「やだー!遊園地で遊びたいし」

「本来の目的からずれてるわよ」


はーちゃんの言うようにサマースクールの本来の目的は観光地をまわってレポート作成をすること。


でもみんなやる気ゼロ。


今回訪れる場所には“クアドリフォリオランド”という巨大な遊園地があって、宿泊先の旅館には満天の星を眺めることが出来る露天風呂があるらしい。


その他に温水プールもあって、旅館の側には夜景が一望出来る展望台なんてのもあるから、みんなが目的を忘れて騒ぐのも無理はない。



「一泊かよ。二泊にしろよなぁ」


机に乗り胡座をかいてパンフレットを見る羽鳥は、遠足を楽しみにしている子供みたい。

 

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