【続】俺様王子と秘密の時間


その時、昼休み終了を知らせるチャイムが響いた。


え……。

あたしは目をパチッと開くと、口端を広げて笑みをこぼす千秋の顔が真ん前にあった。

きゃっ……!



「ガッカリした?」


千秋は挑発的な瞳であたしのことを見つめると、クスッと笑って余裕たっぷりな顔をしてみせた。



「べべべ別にそんなんじゃ……」

「ふーん。顔、メチャクチャ赤いけど?」

「うっ……」


ガッカリしてないって言ったら嘘になるけど、千秋の隣に居るとあたしは普通じゃいられないよぉ。



「椎菜」


ふいに呼ばれて目線を上げると、千秋はあたしの耳元に唇を寄せてきた。



「続きは、また後でな?」


千秋は囁いたあと、あたしの顔を見つめながら唇に人差し指をあてて妖しくウインクしてみせた。

そして部屋を出て行った。


ひゃあああああ。

あたしは力が抜けたせいで、その場にヘナヘナと座りこんだ。

 

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