【続】俺様王子と秘密の時間
「二股なんかしてない……」
「冗談だよ。シイさ、王子となんかあったって顔してるけど?」
そんなあたしの変化に気づいたのか、間髪入れずに黒澤拓海が尋ねてくる。
千秋との出来事を話すつもりはなかったけど、でもこういう時、誰かの意見を聞きたいものだ。
あたしは訳を話した。
「なるほどなー。要は、羽鳥は友達だけど女に囲まれてる羽鳥が気になって、王子の機嫌を損ねたわけだ?」
コクンと首を縦に振る。
千秋に嘘なんてつけるハズがなかった。
何でもお見通しなんだ。
「まあ、誰だって気分悪いわな。んなことされたら、シイだって嫌だろう?」
「うん……」
「王子は気に入らねーんだよ。シイが羽鳥のことを気にしてるのがな。そんだけお前が好きってことだとオレは思うけどね」