【続】俺様王子と秘密の時間


考えがあるなんて言うから頼ったのに、一人だけ理解しててあたしにはなんの説明もしないわけ?


ケータイだってまだ返してくれないし写メは撮られるし、しかもまた勝手に操作してるし……。

ぶつぶつ文句をたれながらもあたしは渋々、黒澤拓海の後ろをついて行く。


少し歩いたところで黒澤拓海が立ち止まり、そばに噴水があった。



「ここって、5時になるとライトアップされるっていう噴水?」


巨大噴水だけあって大きいことは大きいんだけど、囲いのような物があるわけじゃない。

地面に小さな穴がたくさんあって中心部分の一部だけから、水が吹き出ている状態だ。



「そう。5時になったらライトアップされて、周りにあるこの穴からさらに水が吹きでる仕組みだ」


それを聞いて近くにある時計に目をやると、5時まであと数分。

そもそも、なんでここに移動したの?

 

< 439 / 658 >

この作品をシェア

pagetop