【続】俺様王子と秘密の時間


「アンタ最近楽しそうじゃん?」


顔を洗ってお姉ちゃんの向かいの椅子に座ると、ニヤニヤと笑いながら尋ねてきた。



「そ……そうかなぁー?」


あたしはお姉ちゃんが入れてくれた湯気のたつカフェオレに口をつけて、そっと目線を下に落とす。


お砂糖たっぷり。

ミルクたっぷり。

甘々な味が大好き。



「うふっ。椎菜、彼と進展あったのね?」

「ぶはぁっ……」


お姉ちゃんが気色悪い声で笑うから、カフェオレをちょびっと吹き出しちゃった。

あちちちちっ。



「わっかりやすー」


あたし、態度でバレバレだ。

って言っても、千秋と進展なんてこれっぽっちもないんだけどね。

あぁー、またあたしの悩みがカムバック。

うぅ……。

お姉ちゃんには敵わない。

 

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