【続】俺様王子と秘密の時間


「早くバイク停めてくれば!」

「葉月みてぇなこと言うなよ」

「ふんっ!」

「ぷっ。今度は膨れっ面?」


なんて言いながらあたしの頬っぺたをツンツンと突っついてくる。



「シイ」

「なによ!」

「放課後、教室で待ってる」

「え……?」


突然のことにあたしは困惑した。

いきなり、待ってるって……。

羽鳥はなにも言わずにいるあたしを察したのか、



「わっ!?」

「ひっでぇ寝癖。どんな寝相したらこんなんなるんだよ?」


あたしの首に腕を回してクスクス笑うから、一瞬流れた気まずい雰囲気はどこかへ消えた。

寝癖だとか寝相とかはいいから、早く腕を離してよ……。



「シイ、お前さ。もっと可愛く言ってみ?」

「はぁっ!?」

「“雅弥の意地悪ー”とか?」


完全にからかわれてる。

あたしは苦笑いするしかなかった。

 

< 532 / 658 >

この作品をシェア

pagetop