【続】俺様王子と秘密の時間
「放課後、来いって言ったけど」
言いかけてあたしの顔をしばらく見つめた。
さっきのメールのことを言っているんだ。
狭いエレベーター内に息が詰まりそうなくらいの沈黙が流れる。
「もう来なくていい」
ドクンッ……。
前髪から見える千秋のブラウンの瞳に、凍りついたかのように動けないあたしが映りこんでいる。
どういう意味……?
「早く行けよ」
千秋は腕を解いてあたしを解放すると髪をかきあげて息を吐いた。
寒くもないのにカタカタと小刻みに指先が震える。
千秋の言葉の意味がなにを示すのか、頭の中に最悪な考えが浮かんだからだった。
あたしはしっかりしない足取りでエレベーターの中から出る。
なにか言わなきゃと思った時に、千秋はあたしに言った。
「残酷な女」
振り返った時には扉は完全に閉まっていた。