【続】俺様王子と秘密の時間
千秋はもしかしたらそう思ったのかもしれないけど、あたしが強くなれていたら今とは違う結末になっていたのかな?
離れたくなかった。
もっともっともっと千秋を知りたかった……。
自業自得なんてわかっているけどそう思うと涙が頬を伝った。
口を閉ざしたままのあたしに羽鳥は痺れを切らしたのか、イラついたのか舌打ちした。
『シイ……』
そう切り出して羽鳥はあたしの前に立ち頭をそっと撫でてくれる。
でも羽鳥はすぐに手を離して静かに切り出した。
『泣くなよ』
羽鳥の足元が俯くあたしの目に入った。
こんなに近いところに羽鳥は居るのに、どうしてこの人じゃダメなんだろうって思ってしまう。
『なんでだよ……』
雨はもう勢いがないというのに、羽鳥の声は聞き取るのが精一杯なくらいで。
そしてあたしが顔を上げた直後に羽鳥は叫んだ。