【続】俺様王子と秘密の時間


「美ー結ちゃんっ!」


コウちゃんが後ろから声をかけ、“美結ちゃん”と呼ばれた女の子が振り返り、顔が見えた。



「あら、可愛いじゃない」

「でしょでしょ!?」


二人が言うように、ほんとに可愛い女の子だった。


タレ目がちな大きな瞳、真っ白な肌、ぷるんとした唇に、ゆるく巻かれたハチミツ色の長い髪の毛。



うわぁあああ……。

ふわふわしていて。

お人形さんみたいだ。



「あ、コウ先輩〜」


笑うとますます可愛い。

同性なのにドキッとしてしまう。

二人は顔見知りのようで、マシュマロみたいにふわふわした可愛い笑顔に、コウちゃんはデレデレ。




「あのぉ、もしかして、川村椎菜先輩……ですかぁ?」


タレ目の大きな瞳があたしを覗きこんだ。

 

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