地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪
「ヤバッ」

あたしは素早く床に印を組んだ手をつき「禁っ!!」と唱える。


その瞬間、目には見えない壁ができ女を跳ね返す。


『こんの小娘…っ!』

「小娘で悪かったわね。」

あたしは符を取り出して指で挟む。

「地を汚すもの、ここに失す」

あたしの手、体に霊力が集まってくる。

「我の眼前におるものすべて無へと浄化せよっ!」

呪文と一緒に符を女に向けて放つ。

『ギャアアアー―』

悲鳴をあげながら手を伸ばしてくる。

「汚れた魂、無となって天へ還れ!」

続けて放った呪文が女へ命中し、符に霊力が宿り光を放つ。


『イヤー――』

女は叫び、消えていった。


「ふぅー終わった…。」

また印を組み、呪文を唱える。

部屋に充満していた妖気が消えていく。


「解。」

張っていた結界を解いて息をつく。


ガラッー―――

「杏ちゃん!大丈夫!?」
扉を開けて藍鬼が入ってきた。
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