地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪
それなら普通の水が効かない訳だ!



「なら……」


目を閉じて、両手で印を組む。


「まがものよ、まがものよ、妖火の息を打ち祓う、この息は神の息」


胸の前に印を定め、あたしは高らかに神呪を唱える。

「この妖火を打ち砕く、呪いの息を打ち破る水の槍」

ゴゴゴ………………

カタカタと部屋が小刻みに揺れる。


「妖火に誘うものは、利槍を放ち打ち祓うものなり―――――!」


火の中に向けて、印を素早く放つ。



ゴゴゴ……と、清列な神気を含む水が生じて妖火を消滅させていく。




ピチャン………

部屋から火は無くなり、
水溜まりが残った。
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