地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪
杏樹本人は気づいてないが・・・
黒地にピンクの花柄をあしらった浴衣は
すごく似合っていた。
ピンクでも派手すぎずちょうど良い
髪もコテで巻き、サイドにゆるめのお団子をつくってアップにしてある。
後ろから見える白いうなじがなんとも色っぽい。
メイクはグロスくらいでほとんどしていないのに、可愛さはいつもの倍だった。
暗いところにいると、色々とヤバくなるので
「杏。いくぞ。」
そういって先に歩き出した。
「えっ・・・あっうん。」
ちょこちょこと小走りで追いかける。
「・・・・もつかな、俺。」
小さな陸の呟きが風にとけた。