地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪
泣いてる時は黙って頭を撫でてくれて勇気づけてくれた。
あの温かい腕の中では、普通の女子高生になれた。
家、仕事、学校………
全て取っ払って………
なのに、自分から断ち切ったんだ。
もう…嫌だった。限界だったんだ。
なんであの人の隣にはあたしじゃない人がいるの?
あたしでも良いでしょ?
そんな醜い感情が胸の中を占めていた。
自分がこんなに醜いって思うと、嫌で嫌で……
体の中を暴れ回る呪詛と同じくらい、胸が痛い。
ヒヤ………
首につけているものを見る。
「ネックレス…返さなきゃ……」