秘密の関係
宿泊先の旅館に戻ると、あとから二人が戻ってきた。


「どこ行ってたの?
兄ちゃんもみっちゃんもいないからつまらなかったよ。」


そう言って駆け寄ると二人が繋いでいた手を離すのを見てしまった。


「健一か、ビックリした。
今見られちゃったよな?

実はさ、


俺と美月、付き合う事になったんだ。」


兄貴の隣で顔を赤くしながら微笑んでいるみっちゃん。


「今日は置いて行ってごめんね。

健ちゃんにはまだ早いかもしれないけどこれお土産。」


そう言って縁結びのお守りを貰った。


ものすごく胸が痛かった。
俺は初恋に気づいた瞬間に失恋したんだ。


そのお守りは今までどうする事もできずに持っていた。
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