今でもあなたを愛してる。
握った隼人の手は、暖かかった。


「明後日、土曜日だろ?」

『うん。』

「どっか行かね?」

『うん。』
この時の私はもう、緊張MAXで返事をするのもやっとだった。

「どこ行きたい?」

『う~ん……』
デートなんかしたことなかったから、どんな所に行くのかわからなくて、悩んだ。

『あっ…』

「どした?」

『家、ここ…』

「まじ?でけぇマンション
じゃあ、行きたいとこ考えておいて。後でメールしよ?」

『うんっ。
じゃあね…』

「おう、またな」


隼人の後ろ姿が見えなくなるまで、私は見送った。
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