カシスオレンジと波の音
ポテトチップやチョコ、するめを食べながらのトーク。
男の子達はどんどん酔っ払っていく。
「お前らぁ、あんまり飲みすぎるなよ!明日も早いんだから」
目を閉じて、佐倉さんの笑顔を思い出していたせいで、佐倉さんが近付いてきたことに気付かなかった。
「ほら、これ…… みんなで食え」
綺麗に切られた真っ赤なスイカ。
佐倉さん、やっぱり優しい。
文句ばかり言っていた千佳まで、ありがとう!!ってかわいい声を出したりして。
「飲んでねぇだろうな?そこのガキ」
テーブルにスイカを置いた佐倉さんは、チラっと私を見てそう言った。
「飲んでません!!」
私が怒った顔でそう言うと、優しい顔をして佐倉さんは笑った。
「それならいい。じゃ、楽しんで」
去っていく佐倉さんの背中。
汗をかいたシャツ。
筋肉質な体。