白衣の悪魔に首ったけ
恋をして…恋焦がれて…
“で?”って…



そんな、



ちょっと唐突すぎ…



だよ…ね…?



………



……







保健室に2人きり。



正座するあたしのすぐ傍には…



「俺に訊きたいことって…なんですかぁ~?」



「うっ…えっ…えっと…」



しどろもどろに呟くあたしの顔を覗き込みながらニヤリと意地悪な笑みを浮かべる先生。



「あの…」



「ん?聞こえねぇなぁ~?」



うぅ…



聞こえるわけ…ないじゃん…



だって…



あたし、何も言ってない…



ううん。こんな間近に先生の顔があって…



しかもいつもかけてないメガネなんかかけちゃって…



先生なんだけど、先生じゃないみたいで…



………



なにも言えるわけないじゃんっ!!



あたしは足元に丁寧に畳まれていたタオルケットを手繰り寄せ、



それを頭からスッポリ被ると、



「先生の…イジワル…」



「あ?」



先生を見ることなくボソッと小さく呟いた。

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