secret WISH

「やっぱり、ルール変えます」

「え?」

「この戦争で、生き残って下さい。なんとしてでも。それで、私と一緒に旅をして下さい。それが、新しいルールです」

ハンドタオルで顔を覆って言い切ったアメスは、耳が真っ赤だった。

これって、脈アリって考えていいんか?
少し意地悪と思うけど‥‥

「何でその相手が俺なんだよ」

持っているタオルを取り上げて、顎を掴んで自分の方に向かせた。
綺麗な瞳が少し赤くなっている。

「‥セ、セレスさんがいいからです」

視線を懸命に離して、アメスは口を動かした。

「だから、何で?」

俺はもう、アメスが好きだと言ってしまっているから。
顔を直接見て言ったわけでもないけど。
でも、お前の口からその一言が聞きたい。

「言って」

「‥っ、」



好き、だからです。



ギリギリ聞きとれるくらいの声で、アメスは呟いた。
真っ赤になるアメスを見て、
『言って』と言った本人も急に恥ずかしくなって。

アメスはギュッと俺に抱きつくと、耳元でゴメンなさいと言った。
それが、どれに対してのものなのか分からなかった。
それでも自分も、と同じ様に言う。


「‥ゴメンな、アメス」


ふるふると頭を振るアメスの髪が、くすぐったかった。
アメスと向かい合うと、今までよりドキドキする。

そっと口付ければ、どちらともなく目を閉じた。



この後、オニキスが顔面に

今までにないスピードで突進したのは、また別の話。






< 42 / 173 >

この作品をシェア

pagetop