secret WISH


赤くなってしまったと言えど
教会の神様の前でこんな事言ってしまった‥。
こりゃぁ、バチ当たるな。
と頭の隅で思ったけど

今はそんな事より
少女の反応が気になっている。


「‥そこまでして命が惜しいんですか」

「ああ、それに君に興味があるからな」

「敵として?」

「いや、そっちより君自身に」

「‥‥」

「だって、さっき笑ってたから」


だから、もっと見ていたいと思ったなんて
俺、どうしたんだろ。
これって、一目惚れってやつ?


「な、どう?」

「‥そんな事、もう結果は分かっているのに」

「分からねぇよ?もしかしたら本当に俺の事好きになっちゃうかも」

「‥‥」


少女は外の方に視線を上げた。
真っ赤な月が、俺たち2人を眺めている。

血の隙間から月を見ていた
少し潤んだ少女の目は
ゆっくりと俺を捕らえた。

綺麗なその瞳はまるで、
アメシストの様。


「‥いいでしょう」


その代り、期限は1ヶ月。

それまでに貴方が愛おしい存在だと私が思えば

貴方の命を見過ごしてあげます。


「‥‥ぇ」

「もしそう思えなければ‥―――」





貴方の命、頂きます。







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