secret WISH

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ザァァァ‥
激しく雨が降り注ぐ中、
俺と女の子は森の道を進んでいた。

『あめ、やまないね』

『‥あぁ、朝からずっとだな』

スタスタと歩く俺とは違って
女の子は懸命に俺に付いて来ようとして。
くしゃみをする声に、俺は振り向いた。
ボロボロの服に、グレーの長い髪。
俺は女の子が来るまでその場に立ち止まった。
被っていたフード付きの服を、被せてやる。

『い、いいよ。カゼひいちゃう』

『おれは平気だから』

『だったら、わたしもへい、き‥っくしゅん！』

『くしゃみしてるじゃん』

フードを被せながら笑うと
女の子は困ったような顔をして
俺をじぃっと見上げた。

『じゃ、じゃあね、そこのきのしたで、すこしだけあまやどりしよう？』

『おれは平気だって』

『わ、わたし、あるきつかれたの』

俺の手を引っ張って木の下に来ると
女の子はそこに座り込んでしまった。
その様子を見ながら立ったままの俺に
女の子は膝に顔を埋めた。

『‥わかった、休んで行こう』

そう言って隣に座れば
女の子は嬉しそうな顔で笑った。
持っている鞄の中で
微かに光っているのは‥―――

『そのむらさきの石、なんだ？』

夢の中での俺は、その子に訊いた。
女の子はきょとんとした顔して
俺から目を逸らした。

『しりたい？』

『うん、ずっと気になってたんだ』

『そうなの。‥じゃあ、教えてあげる』



これはね、わたしの‥―――