-KAORI-

『行こっか。』

「うんっ!」

着いた祐希くんの家は、おばあちゃんの家よりは大きい。

「おじゃましまぁす…。」

『家に誰もいねぇよ?』

「えっ、嘘!」

小さく微笑むと、あたしにスリッパを突き出して二階に上がって行った。

「ちょ、待って…。」

早く階段を上がって、閉まる寸前の祐希くんの部屋に入った。

祐希くんの部屋は、祐希くんの香りがいっぱいの家具が並んだ部屋だった。

適当にベッドに座ると、あたしにオレンジジュースを出してくれた。

「あっ、ありがと。」

< 85 / 132 >

この作品をシェア

pagetop