-KAORI-
『行こっか。』
「うんっ!」
着いた祐希くんの家は、おばあちゃんの家よりは大きい。
「おじゃましまぁす…。」
『家に誰もいねぇよ?』
「えっ、嘘!」
小さく微笑むと、あたしにスリッパを突き出して二階に上がって行った。
「ちょ、待って…。」
早く階段を上がって、閉まる寸前の祐希くんの部屋に入った。
祐希くんの部屋は、祐希くんの香りがいっぱいの家具が並んだ部屋だった。
適当にベッドに座ると、あたしにオレンジジュースを出してくれた。
「あっ、ありがと。」