ティップオフ
第1章

オーバータイム


互いに12点対12点で迎えた延長戦も残りわずかとなっていた。

ダンダンと床につかれるボールやキュッという靴の音までもが緊張感を募らせていく。


ピッというホイッスルの音と審判の「ファール!フリースロー」という声がしたその後、フリースローラインに立って、ただ呆然としている自分がいて。

…会場に響く声援が一気に止んだ。

手の震えを止めるために深呼吸をし目を閉じれば、2年前の自分たちの姿が鮮明に蘇る─。



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