気付けば溺愛
顔を背けようとしても、拓真の両手にがっちり固定されて……。

「たく…やだ…はなして」

「っ…」

深く熱いキスを落とされた私の気持ちなんか全く無視して夢中になっている拓真。

最初こそ抵抗して体を固くしていたけれど。

『花凜…』

『なんでだよ…』

と唇を合わせたままでつぶやく拓真の言葉が魔法の呪文のように、私の涙を誘う。

気付くと、わたしの方からしがみつき、拓真以上の熱さを彼の唇に刻みこんでいた。

…好きだから…。

< 22 / 38 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop