恋めぐり
用務員さんに頭を下げて、土方くんについて歩いた。

不意に土方くんが私の髪に触れた。

「何?」

思わず身体を引いてしまった。

「悪い。髪についてたから」

土方くんの手には桜の花びらがのっていて。

「ありがとう」

「ん。桜理って名前だけに桜はお前が好きなんだな。桜の花びらが髪についてる奴、見たことねぇよ」
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