lotlotlot
「戻りました。」
リーグがお使いから帰ってきた。
「お、リーグ君。頼んだものはあったかね?」
「それが・・・その・・・こんなのしかなくて・・・。」
リーグは恐る恐る差し出した。
エーマリリスさんは、渡された茶色い紙袋を開けた。
「なんだい?これは・・・。」
「あの、その、お店の人に聞いたら、頼まれたものはないって言われて、でも、でも、代わりにこれが使えるって言うから、それを買ってきたんです。ダメ・・・でした?」
「リーグ君、君は言術は使えるかい?」
「いえ、使えないです。父さんから聞いた事あるけど、言術を使うにはその血統と言うか、遺伝子を持っている者じゃないと使えないって。そして、俺はその血統じゃないって聞いてます。だから、使えません。」
「そう、使えないよね。と言う事が、これが本当に代わりになるかもわからないって訳だね?」
「そうなりますね。」
「なのに勝手に買ってきた?」
「・・・はい、ごめんなさい。」
エーマリリスさんは、机の上に置いてあるメモ帳に何か書き出した。
「これを持って行きなさい。」
そこには地図と、エーマリリスさんが欲しい商品の名前が書いてあった。
「本当はこの店はここからかなり遠いから、あまり行かせたくなかったんだが・・・。商品がなかったならしょうがない。ここに行って、書いてあるものを買ってきてくれ。いいね、今度は代わりのものとか勝手に買ってこないでくれよ。」
「はい。」
リーグは肩を落とし、部屋を出て行った。
「さぁ、イバーエ君、続きをやろう。」
どうも、リーグはエーマリリスさんに嫌われている。そんな感じがした。
< 94 / 148 >

この作品をシェア

pagetop