ヒメ恋~Eternal Love~
「ぱ…ぱ…っ…」


両手をオレに広げて、もう一度パパと呼んでくれた…。


「…っ、里海っ!!」


次の瞬間、オレは里海を抱き上げ、強く抱きしめていた。


「里海…っ…里海……」


何度も娘の名前を呼ぶ。


やっと……


やっとこの手で…抱きしめられた…。


「美海様が…毎日里海ちゃんに教えていたんですよ…?

その写真を見せながら…パパだよ…って。

里海ちゃんは人見知りが激しくて、初対面では必ず泣くのに…

海里さんがパパだって…分かっているんですね…」


「里海……」


更に抱きしめる力を強めた。


抱きしめた里海は、まだ本当に小さかった…。



< 92 / 214 >

この作品をシェア

pagetop