猫とうさぎとアリスと女王
ⅩⅨ 病めるチェシャ猫
 「それで?」


今日はイオの家で二人きりのお茶会。
イオの点てたお茶は物凄く美味しくて、私は大好きなのです。

イオと会わないうちにあった出来事を私は一つ一つ説明しました。

シーナとデートをしたこと。
シーナの恋人のこと。
岳志さんと智鶴さんのこと。
そしてお二人の結婚式に行ったこと。

全部話し終って満足していると、イオは不満そうに言いました。


「え?それで終わりですけれど・・・。」

「一緒のベッドで眠ったり、シーナの気持ちにキリをつけたのに?」

「ええ・・・。」

「何それ。」


私はお茶菓子に手をつけました。
可愛らしいお花の形の練り物。イオのお茶によく合います。


「距離が縮まったとか、付き合うことになったとかいう話を期待してたのに。」

「そっ、そんなことはある訳がありませんわ!距離は・・・縮まったかもしれませんけど。」


私はベッドの上でシーナに抱きしめられたことを思い出しました。

ほんの少し顔が熱いです。


「あ、そうだわ。マコに伝えなければいけないことがあるの。」

「なんです?」


「私、トラさんに告白されたの。」



「ええっ!?」


あらまあ・・・あの奥手のトラがまさか告白をするとは・・・。

イオに思いを伝えられぬまま終わってしまうと思っていましたが、トラも男性ですものね。
やる時はやるのでしょうか。


イオは何でも無かったかのように涼しげな顔でそう言いました。

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