硝子玉

「あなたたちよくやったわね。」

消毒液のにおいが充満した保健室。

包帯だらけ、絆創膏だらけの私と先輩は先生にコッテリ怒られた。

「北涌さんも、先輩に喧嘩売るなんてやるじゃない!」

そんな時、保健室の扉が開いて太陽と陸先輩が入ってきた。

七海先輩は逃げ出した。

陸先輩は後を追っていった。

「青空。大丈夫か?」

「うん。太陽がいるから大丈夫。」




「七海!!!!七海!待ってくだサイ!!!」

「待たない!!!!待ちません!!!絶対に!!!」

夕暮れの校舎はまぶしかった。

追いつかれるに決まってるけど逃げるしかできなかった。

「七海!!!!」

手をつかまれ、もう無理だと悟った。

「離し・・・・!!!!!!!」

先輩は強引に私を腕の中に入れ、キスをした。

一年ぶりだった。

抱きしめられるのも、キスするのも。

「陸・・・・行かないでよ。」

言えた。

「行かない。七海がそう言うならいかない。」

先輩ははじめて敬語を使わず、また強く抱きしめてくれた。

「大丈夫なの?」

「俺を舐めるなよ?」

はじめて、先輩が俺って言った。

先輩は礼儀正しいから敬語とかしか使わない。

でも、その先輩がはじめて俺って言った。

「舐められてるの私の方でしょ?」

確かに・・言ってから気づいたけど先輩は地味に私の頬を舐めていた。

「・・・どうかな?さっ!!!!!!!帰りマショウ!!!」





< 25 / 90 >

この作品をシェア

pagetop