満たされしモノ

VSマッドドッグ

季節は春も間近な三月の中頃。


朝はさすがに寒さが残るが、空を見上げれば綺麗な晴天が広がっている。


そして、僕が通う黎明学園の年を通して変わらない光景……


 


「離せ!! 離せよ!! 俺はただ旨い水が飲みたいだけなんだよ!!!!」


「学園内への飲食物の持ち込みは禁止されています。ペットボトルの水であろうと例外はありません」


「待て……! 待ってくれ!! もう水道水だけの昼食は嫌なんだよ!! カルキ臭いんだよぉぉぉぉ!!!!!!」


「生徒No.010810、軽木 修(かるき しゅう)君。貴方を連行します。貴方にはカルキ臭い水道水がお似合いですよ……」


「イヤだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」


……


禁止された食料を持ち込んだ生徒が、風紀委員により連行されるシーン……


登校時の校門では毎日行われている出来事だ。


連れて行かれた生徒は処罰されるはずだ。確か、残飯処理一週間の刑だったかな……


「可哀相になぁ……。水ぐらい許してもいいのに……」


「例外を一つでも認めたら、風紀なんてすぐに崩壊デスよ。まったく……毎日毎日懲りない連中デスね」


同情する僕に、並んで歩いていた不知火は厳しいコメントをした。


そうなんだけどね……、と一応は頷いておいた。


 
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